離婚によって親権をなくす国、日本
日本では父母の婚姻中は、原則として、父母が共同して子どもに対して親権を持つ共同親権制度(民法818条3項本文)が採用されていますが、離婚すると父母のどちらかしか親権者になれず単独親権に変わります(民法819条1項)。
多くの場合、夫婦のどちらとも子供は絶対に手放したくないと思うでしょうし、親権を相手に譲ってしまったら子供に毎日会うということはほとんどできません。
日本では子供を持つ夫婦が離婚した場合、親権は母親が持ち、成人するまで育てるのが普通だと考えられています。実際、シングルファザーよりもシングルマザーの方が圧倒的に多いです。
しかし最近では、いままでに比べて、男性の家事や育児への関わり方の意識が向上していることもあり、母親と父親、どちらが子供と一緒にいるのにふさわしいのか、簡単に判断できないことが多くなっています。
そのため、離婚裁判における監護の継続性を既成事実とし、親権争いを有利に進めるために子供の連れ去りや片方の親を追い出すなど、片方の親と子の交流を断つように、と指導する弁護士がなんと相当数確認出来ております。
そこで犠牲になるのはかけがえのない私たちの子供です。
海外からの圧力
ところが、日本以外の多くの先進国では離婚後も共同親権が認められているのです。
日本民法のもととなったドイツでは、かつては日本と同様に裁判離婚後は単独親権となっていましたが、1982年に連邦憲法裁判所が違憲判決を下したことがきっかけで1998年には離婚後の共同親権が法制度化されています。
先進国である欧米諸国はもちろん、中国・韓国などのアジアにおいても共同親権は導入済みであり、先進国では離婚後の単独親権制度をとっている国は日本だけです。
そのため、国際的な子の連れ去りが日本と諸外国の間で国際問題となっています。
2020年7月8日、欧州議会議員は日本の当局が国際法の遵守に消極的であることで、日本において親による子の連れ去り事例が多数発生していることを懸念し日本に対する批判的な決議を採決しました。賛成686票、反対1票、棄権8票。
長年この問題に取り組むスミス共同委員長(共和党)は「日本は共同親権の概念を認識していない」と述べ、子供を取り戻すため日本に対し国務省が厳しい措置を取りやすくする新たな法案を準備していると明らかにしています。
共同親権に向けた国内の法整備
実は最近日本でも、政府が離婚後の共同親権を認める方向で検討を進めています。
2021年、法務省は民法改正を法制審議会(法相の諮問機関)に諮問し、「共同親権」の導入について検討する研究会を設置しました。
婚姻中だけでなく、離婚後も共同親権であれば父母双方に子の養育責任があることが明確になり、円滑な面会交流や養育費の支払確保が期待されることなどから、法制審議会を経由して国会にも法案が提出される可能性が高いといわれております。
法務省は離婚後原則共同親権を導入することで、子どもの健全な成長をはかりたい考えです。
現在の民法は1896年(明治29年)に制定された古いものであり、度重なる大改正を経ても、「家制度」の名残も強い内容です。2012年に民法が改正された際に「親権は子の利益のためのもの」とされましたが、今回はさらに一歩進んで「共同親権」まで認める動きになっています。
- 子どもが両方の親・祖父母と関われる
- 離婚時の熾烈(しれつ)な親権トラブルを避けられる
- 親権獲得を目的とした親子断絶に意味がなくなる。
- 養育費の支払いがスムーズになる
- 両親が協力して子どもの養育や教育ができる
反対派の意見
しかしながら、離婚後共同親権に対して反対する方も少数ですがいらっしゃるのも事実です。
なぜ反対されるのでしょうか?
- DVや虐待から逃げられなくなる
- 家族内の紛争が増加し子どもに悪影響を及ぼす
- 今の制度でも共同監護できる
このような主張に対して
①我々はDVや虐待があるケースに関しては事実確認の上単独親権で守る。親子関係に問題化がないケースにおいては離婚後も共同親権にすべきであり、DV問題と親子の問題は分けて考えるべきだ、という主張をしております。
②離婚後同居して生活するわけではありません。むしろ夫婦の問題を子供に転嫁しているといえます。
③確かにできている方もごくごくわずかながらいらっしゃるでしょう。しかし現状の面会交流の審判では月1回2-3時間程度の面会が相場といわれています。また、実施率も27%、強要する手段もありません(できて間接強制)。レアケースを持ち出しあたかも普通にできるといいますが、国内の法制度がない中でどうやって共同監護できるのでしょうか?
別居親がやるべき行動
2022年現在、法制審議会は「共同親権」を認めようとする動きになっています。
そして法改正は国民の皆様の理解を得る段階に入ってきています!
法律を動かすためにまずはこの事実を世間の皆様に知らせるために行動することと考え、桜の会は動いています。
しかしながら、これをご覧になる皆様、子供と会いたい、妻(夫)と話したい、と願っても今の現状では何も変わりません。
何もしなければ国民の皆様には認知されませんし、むしろ「ない事」と認識されてしまいます。
ご賛同いただける方は、各地の街宣活動にぜひ参加してみませんか?チラシを1枚配るだけでも立派な周知になりえます。
お近くの街宣活動にぜひ参加お願いいたします。